2024年7月9日

かみ特産開発センターのあゆみ

 

「安藤さんが何で特産センターで、加工品を作っておられるんですか?」の疑問に、今答えておこうと考えて、次の冊子をつくり総会でお話しさせて頂きました。

 

 

平成7年8月~平成8年9月

R427道の駅オープンにあたり、加美町らしい特産品をつくるための、特産品開発講座を加美町が第1期、第2期、第3期と設けました。そして受講生も規約のもと、各チームを組んで、それぞれが個人の団体として受講しました。

東洋ナッツ研究室の松延先生を講師に、みつばグループ、そらまめ農場、エージレスなど12グループが、1年間受講しました。

 

平成8年10月

道の駅オープン。全国に先駆けた道の駅オープンは、連日大盛況。杉原川が清らかに静かに流れ、壁のように迫る山々、立派な杉木立の中の青玉神社。私の大好きなロケーションの中の道の駅は、橋を渡れば杉原紙研究所があり、ず~と、今でも自慢です。

 

1年かけてやっと商品化に漕ぎつけた「とりめしの具」等が店頭に並び、飛ぶような売れゆきに、感激と戸惑いの中、加美町商工会のせま~い調理室で加工に励みました。

 

 

平成10年

「とりめしの具」知事賞に輝く。

『農林水産大臣賞』全国版に兵庫県で初めての事と、とても喜んで頂く。

県庁の農林部長、局長にご挨拶をと、森野町長と共に…谷尾課長も一緒でした。せまーい商工会の調理室に、各社の新聞取材が続く!

 

平成10年

・かみ特産品クラブ結成。役場、普及所指導のもと、規約等作成。

・指定管理者制度が導入される。使用簿に各グループ名を記入し、使用料を町に支払う。

・『農林水産大臣賞』とか受賞し、全国に先駆け、特産品の取り組みが注目され、北海道から九州迄、施設の視察もたくさんあった!近くでは、中町役場もありました。

 

平成11年3月11日

加美町交流会館、特産品開発センター、松井庄診療所の竣工式。

式典の中でみつばグループが、加美町より『春蘭表彰』を受ける。

そしていよいよ、新し~いひろ~い特産品開発センターでの加工が始まる。

各種許可証を取得。

竣工した交流会館で、井戸知事を交えて、かみ特産品クラブのメンバーたちと特産品を自慢しながらの交流会が盛り上がる。

 

 

平成16年4月

この施設が西脇多可食品衛生協会より優良施設であると、表彰されました。

 

平成20

多可町役場の幹部の方より、「安藤さん、お話がありますので、役場に来て下さい」と…。2人の仲間と一緒に役場に行くと、「安藤さん1人でよかったのに…。」と、意味深ありげ…。

「指定管理者制度を打ち切り、管理料を0円にして、特産センターで自立して下さいませんか?」とのお話だった。あまりに突然だったけど、これは私の大きな覚悟の時が訪れたと…。本当に自立できるのか?頭の中はいっぱい駆け巡ったが、私は平常心をよそおい「わかりました。0円にして下さい」と即答した。

のちに…多可町と書類を交わす案内文の中に、「議会でも審議がされたことですが、指定管理者として、管理、内容を制約することよりも、施設管理を団体の自由な発想で行って頂くこと。管理団体の使用占有率から変更させているところと…」私はこの文面に接し、優しい思いがのせられた結果のお話やと…。有難い気持ちと頑張るしかない…その日からず~っと

《一生懸命がんばれば、いつかきっと え~風が吹く》 と自分を励ます歳月が続く。

 

平成22年7月

私 安藤 松子 は、役場より依頼され、消防法施行令第3条第1項第1号による甲種防火管理新規講習の課程を修了しました。(特産品開発センター)

「維持管理に必要な各種点検業務については、引き続き行って下さい」との文面も…。
施設を大切に使おうと思う気持ちは限りなくあり、その1つは大きな鍋で具をたくさん炊くが、鍋にはささがき牛蒡が1個も残らないようにバットに取ります。洗っていて排水溝に流れたらヘドロになるからです。洗剤はたくさん使用すると、排水溝の中で石化するからです。小さな事から大きな事まで、細心の注意を払いながら現場をこなしております。
そして冷凍庫、冷蔵庫、真空機、設備投資にも、たくさんのエネルギーと資金繰りが必要です。
でも議会の審議の中でも頂いた、自由な発想のもと、この施設のお陰で『播州百日どり』の振興に努めるために、商品開発をどんどんし、発信し続けながら、ビジネスに邁進し、経営力をつけながら、かみ特産品クラブの仲間たちの活動の拠点として守り抜いております。
その陰には、現場の仲間が私と違った立場での覚悟をし、アンテナをしっかり張り、素晴らしい戦力で頑張ってくれている事に、いつも深く感謝しております。
いつかこの私を支えてくれている仲間を、誰かに話し、褒めたたえる機会が欲しいなあ…と思っていました。
今日は私達の総会の会場で、たくさんのご来賓の方々に自慢ができ、私も最高に嬉しいです。

 

追記

特産品開発講座の終了間際、少し顔色が冴えない松延先生が命を振り絞るように私に『この地どりめしの具が飛ぶような売れ行きになって、現場が忙しくなっても、私が指導した原点は絶対に変えないで欲しい』と言うお言葉は、私の胸にいつも遺言となりある。

このセンターのお陰で、今も指導された原点を守りながら『播州100日どりのとりめしの具』を多可町の特産品として、市場でコンスタントに流通しております。

 

 

総会のあと、30年間ず~と一緒に活動してきた『つくしグループ』の一員が「はじめて安藤さんの聞きたかったお話を聞いて、ほんまに良かったよと…」と感想を伝えてくれました。